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佐藤 『ダイヤモンドの戦士』

未来の日本が舞台になっている長編SF小説『ダイヤモンドの戦士』佐藤さんの作品です。

写真 (19)


 SF小説を欲していたので、告知をしているときから買おうと決めていた作品です。佐藤さんの前作『迷宮図書』も気になり、でも財布がひぃひぃ言っていたので今作だけにしようか迷いましたが、はっと気がついたら欲望に負けて『ダイヤモンドの戦士』と『迷宮図書』を手中に収めていました。『迷宮図書』も面白かったけど、今回は圧倒的な世界観に一人で乾杯したくなった『ダイヤモンドの戦士』の感想です。

 未来の日本は幾つかの国(藩みたいなもの?)や都市から成り立っていて、伊豆国に住むフリー・ジャーナリストのジャンが、現在、宇宙からやってきている正体不明のバターのような雨と機械の取材を行っているところから物語は始まります。西湘国で出会った子どもたちとの交流を通し、ジャンは五年前に秦野地区で突然起こった不可解な爆発事故の真相に少しずつ触れるようになります。過去の爆発事故と、未来に起こり得る災厄、そして有史以前の人間の技術が絡み合い、全ての謎が見えてくるのです。
 緻密に練られた世界観と無駄のない物語構成なので、友人に本を差し出して「何も言わずに読んでみて!引き込まれるから!」と言いたいほどです。書店や図書館に並んでいてもおかしくないです。骨太でしっかりとした物語設定が深い読書時間を与えてくれて、これこそ長編小説の魅力だなぁと思います。現在、五年前、十年前と物語が入り混じり、後半は宇宙が舞台になると思えば有史以前の話が絡んできて少し複雑になっていきますが、困惑することなく読めるのは、佐藤さんの書き慣れた筆力のおかげです。

 物語全体を通して家族がポイントになっているのだと思います。ダイヤモンドの戦士とされるフィロが「不完全な肉体」の人間として生きる意味を理解したとき、なんだか私もスーッと胸の内が晴れたような気分になりました。ジャンがこれから生きることの意味にもなるのだなぁ。
 本筋とは関係ないですが、宇宙へ行く調査船の名前がライカ号とベルカ号であると知ったとき、ああこれから不穏なことが起るぞ……と背筋がぞくっとしました。


 想像力の産物であるSF小説。その醍醐味を感じられる幸せな読書時間でした。SF最高!と思わせくれる本をありがとうございました。


いくた
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Author:お酒強いですけど
文学フリマやコミティアで活動中。

【イラスト・漫画】さくら→Pixiv
【文】いくた→@7m7s

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