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今村友紀/渋澤怜/吉永動機 チョコレートアンソロジー『甘いものは別冊1』

チョコレート菓子に纏わる三つの小説が詰まった、板チョコサイズの本。
今村友紀さん渋澤怜さん吉永動機さんによる『甘いものは別冊1』です。
 帯にある「誘惑と倫理」という言葉と、突き抜けたあらすじも気になるところですが、まずは何と言っても本のデザインがすごい!
 
 銀紙のかかった板チョコの上に、商品名が書かれたチョコレート色の包み紙。
チョコアンソロ1


 表紙を捲ると板チョコの模様が!!これは一作目の表題紙ですが、なんと二作目、三作目と進むにつれてチョコが減っていくのです!
チョコアンソロ2

 良きデザインは想像力を掻き立ててくれます。BLANK MAGAZINEの野条さん流石だなぁ。


 視覚的に本を堪能したところで、さっそく中身の味見を。ぺろり。とにかくお三方のあらすじが秀逸だったので、引用します。あらすじだけで、すぐに読みたくなりますよ。

「チョコあ~んぱんまでスリーマイルⅠ」 今村友紀
 西暦202X年。日系ペルー人ドクター・ヨシナガはカカオから莫大なエネルギーを引き出すことに成功。この新技術を食品へ応用し世界的大企業に成長したブルボンだが、ある日、ヒット商品「新チョコあ~んぱん・焼きたてホカホカ」を食べた女児らが高熱で溶けるという大事件が起こり――

「ゴッド・ブレス・ガルボ」 渋澤怜
 新製品の開発に苦心する明治製菓社員・Kの元を、ある日悪魔が訪れる。「ガルボ」という名の神の飼い犬を貸し付けられたKは、その排泄物の禁断の味に目覚めてしまい、「ガルボ」として製品化する――神の被造物であるチョコレートを巡る、最高に不謹慎で下品な現代の神話。

「きっと負ける」 吉永動機
 原発推進派の僕は、反原発デモの様子が記録された映像の中にクラスメイト・忽滑谷陽子の姿を発見する。そのことを問い質すべく忽滑谷の元へ向かった僕は、忽滑谷という存在にまつわる「ある秘密」を知ることになる――。嘘と自意識と純情とチョコにまみれた原発青春恋愛ストーリー。



 物語って何でもありだよね!!と笑いながらあらすじを読みました。が、最初の「チョコあ~んぱんまでスリーマイルⅠ」は、その発想とミステリー展開に魅せられて、頁を捲る手が止まりません。チョコを掴む手も止まらない。実在するチョコあ~んぱんなので、「温かかったら美味しい」という現実味のある想像ができてしまうことが味噌ですね。黒幕の登場でますます盛り上がってくるか、というところで終わったので、次回を楽しみにしています。

 つづく「ゴッド・ブレス・ガルボ」好きです。それやっちゃ駄目でしょ!っていうことのオンパレードなのですが、排泄物を神の被造物と明言するところが巧いなぁと思います。触感と手の汚れないところがガルボの魅力で、図書館で勉強するときはいつも隠れてつまみ食いするほど好きですが、渋澤さんのガルボ愛には到底敵わない。今後ガルボを食べるときにこの小説を思い出さない人はいないだろうなと思うほど、パンチの利いたガルボ小説です。

 三つ目の「きっと負ける」は、“きっと勝つ”で有名なキットカットが出てくる小説です。原発青春恋愛ストーリーとは何だと首を傾げた方、ぜひ読んでみてください。恋は惚れた者負け、と言わんばかりに主人公の僕が陽子ちゃんに吸い寄せられていくわけですが、吸い寄せられた先にあるのが原発であり青春であり恋愛なのです。つっくんと呼ばれる僕は、もしかして月なの……?

 凝ったデザインと何でもありのアンソロジー本。これぞ同人小説の極み!と思える楽しい本をありがとうございます!!



いくた
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# 2013.09.24 Tue00:56
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お酒強いですけど

Author:お酒強いですけど
文学フリマやコミティアで活動中。

【イラスト・漫画】さくら→Pixiv
【文】いくた→@7m7s

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