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少年憧憬社 栗山真太朗『花泥棒と秘密の猿たち』

前回の文学フリマでご挨拶して『川町奇譚』を読み、それから約半年間、新作を楽しみにしていました。栗山真太朗さん『花泥棒と秘密の猿たち』

花泥棒と秘密の猿たち



まずタイトルにやられました。ローリング・ストーンズと〈ピグマリオン〉の言葉を経て始まった最初の一文にもグッと惹きこまれるし、続く二文目が更にいい!

“「きっとお前は王様になる」と、母親の恋人は僕にことあるごと言った。その言葉は呪詛のように耳に絡みつき、その後僕の行動を抑制した。”

「王様」という言葉から受ける語感とは正反対の気分の主人公〈僕〉。
読者の目を引くための一文目は、二文目によって台無しにされる恐れがある。と言ってもそれは好みの問題なのだけど、とにかく最初の二文だけで私はこの本にありがとうを三回くらい言いました。ありがとう。
冒頭の雰囲気は、そのまま主人公の父親の死へと続きます。

栗山さんの小説が素晴らしいのは、文体なのだと思います。全体像が見えない中で新情報が次々と出てくるのに、置いてきぼりにならないのはリズムのいい文体によって運ばれているからこそ。この本を読んでいるとき、心地いい一定のリズムでジグソーパズルをしているような感覚でした。絵の全体が分からないまま端からピースをはめていき、しばらくすると全く別の部分のピースがいきなり降ってきて、また部分的に絵を作り上げていく。そしてようやく核心に迫り、「あーこれは顔の絵なんだなぁ」と思いながら最後のピースをはめ込んだら、絵が一瞬にして真っ黒い瞳に呑み込まれるような。

タイトルと冒頭に感謝したことをすっかり忘れて、読後の「呑み込まれた感」にまた十回くらいありがとうを言いました。ジグソーパズルをひっくり返してくださってありがとうございます!

いくた
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文学フリマやコミティアで活動中。

【イラスト・漫画】さくら→Pixiv
【文】いくた→@7m7s

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